家族信託の説明【家族信託】

家族信託とは

「家族信託」とは、ご自身(親)の財産を、信頼できるご家族(子どもなど)に託して管理・運用してもらう仕組みです。
財産の所有権は親に残ったまま、子どもが「管理人」として財産の管理・運用を行います。
そのため、贈与税は発生せず、親が引き続き自分の財産の利益を得ることができます。
つまり、家族信託を活用すれば、親の財産でありながら、子どもが実務的な管理や契約手続きを代行できるようになります。
「財産の主は親のまま」という安心感があり、認知症などに備える有効な手段です。

認知症は“法的な死”

認知症が進行して判断能力を失うと、契約や売買などの法的行為ができなくなります。
この状態は、いわば「法的な死」ともいえるものです。
肉体的には生きていても、法律上は意思表示ができないため、財産を自由に動かすことができません。
その結果
• 親の預金を子が代わりに引き出すことができない
• 老人ホーム入居費用のために実家を売却することもできない
• 遺言書を作成することも不可能
こうした状況が平均10年前後続くこともあり、その間、親の財産は“凍結状態”となります。

家族信託のメリット

家族信託を活用すれば、次のような効果が期待できます。
• 認知症による財産凍結を防ぎ、生活資金や介護費用に柔軟に対応できる
• 親が元気なうちに相続対策を進められる
• 相続発生後もスムーズに財産承継が行える
• 成年後見制度のような高額な維持費がかからない

空き家リスクにも備える

親が施設に入居したあと、誰も住まない実家をそのままにしておくと、 老朽化・不法侵入・放火などのリスクが高まります。
さらに、2015年施行の「空き家法」により、管理が不十分な空き家は「特定空き家」に指定され、固定資産税が最大6倍になる可能性もあります。
こうした事態を防ぐためにも、家族信託によって早期に不動産の管理・売却を行う仕組みを整えておくことが重要です。

成年後見制度という「抜け出せない落とし穴」

認知症になった親の預金引き出しや不動産売却の際、多くの場合に勧められるのが成年後見制度です。家庭裁判所が選任した後見人(弁護士等)が財産を管理します。

しかし、申立時の費用に加え、月々数万円の報酬が原則として亡くなるまで発生し、一度始めると途中でやめることはできません。また、預金がある場合は支出が厳しく管理され、自宅の売却も認められにくくなります。
認知症になってからでは選択肢が限られるため、将来に備え、元気なうちから対策を講じることが重要です。

今、できる対策を

家族信託は、親が判断能力を失う前しか契約できません。
つまり、「元気なうちの今」こそが、最適な準備のタイミングです。
忙しい日常の中でも、将来の安心のために一度立ち止まり、 ご家族とともに家族信託の検討を始めてみてください。
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